北朝鮮は社会主義体制を標榜しているが、実体は金日成氏を始祖とする「王朝国家」だ。その金王朝を支える一大勢力が日成氏とともに抗日パルチザン闘争を繰り広げ、建国後も政権を支えた人脈、抗日パルチザンの血筋である。いわば北朝鮮の「赤い貴族」たち。
抗日パルチザンの第1世代は、金日成・正日氏に仕えた。金正恩氏は第2世代、そして第3世代が支えていくと見られていた。その第2世代を代表する人物が崔龍海(チェ・リョンヘ)氏だ。金日成氏の盟友でもあった崔賢(チェ・ヒョン)氏の息子ということもあり、正日・正恩氏に仕えてきたが、この人物、北朝鮮国内での評判はすこぶる悪い。
北朝鮮一のブランド好きで派手な生活を好むタイプと知られ、度重なる不正事件を引き起こした。それだけでなく、権力を盾にして美貌の芸能関係の女性を性の玩具にするなどのスキャンダラスな醜聞に濡れたことすらある。
(参考記事:美貌の女性の歯を抜いて…崔龍海の極悪性スキャンダル)それでも崔龍海氏は、抗日パルチザンの血筋ということから、金正恩体制下でしぶとく生き残ってきた。その一方で、北朝鮮では知らない者がいない第1世代の超大物の息子たちが解任されたというのだ。