「工場側の労務管理は非常に巧みです。たとえば、工員たちに『ツケマツゲひとつ当たり、0.05米ドル(5セント)を支給する』と伝える。それが高いのか安いのかわからない少女らは、とにかく数をこなそうと必死で働くのです。また、旧正月などの祭日に際しては、普段は後日まとめ払いの賃金を日払いに切り替える。収入は変わらないのに、少しでも早くおカネを家に持ち帰りたい彼女たちは、文句も言えず労働に精を出すのです。地域によっては、9歳の子どもまでが工場で働いていると聞きます」(同)
こんな生活のために学業はおろそかにならざるをえず、競争社会化する世の中を生き抜くのに必要な知識や教養も身につかない。少女たちは、徹底的な搾取に遭っているのだ。
アメリカ人監督ミカ・X・ペレドの『女工哀歌』は中国のアパレル工場の実態を追ったドキュメンタリー映画だが、それより遥かに悲しい実態であると思える。
(参考記事:北朝鮮で強制労働させられる子どもたち…「王様」どころか奴隷)