中央からは薪や石炭などの燃料は一切配給されず、すべて自力で調達することが求められる。暖房用の薪の調達は食事当番の役目だ。兵士たちは毎朝3人1組でそりをひいて、16キロも離れた山で薪の切り出しを行う。緑化政策で木の伐採は禁じられているが、背に腹はかえられない。
状況は、比較的待遇が恵まれている国境警備隊でも変わらない。暖房が入らないので、冬服を着込んで毛布にくるまらなければ寒くて寝ることすらできない。あまりの寒さに耐えかねて、薪を求めて国境を越え中国の山に入る兵士が続出している。
このような状況に対して、中央は何もしようとしない。人民軍総政治局は「中国の山林を毀損した者は厳罰に処す」との警告文書を発しただけで、暖房用の燃料を送ろうとする気配はない。