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北朝鮮当局が、中国との国境を流れる鴨緑江と豆満江沿いに堤防を築く工事を始めた。表向きは、水害防止用と説明しているが、本当の狙いは脱北防止用のようだと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、会寧(フェリョン)市の保安署(警察署)は、100メートルにわたり試験的に堤防を築く工事を行なった。中央はこの報告を受けて、国境に堤防を築くことを指示した。

工事は雪解けが始まる4月初めに始まる予定だが、住民から建設資金を徴収したり、兵士や一般住民に対して勤労動員への参加を呼びかける事前作業は既に始まっている。

指示には「昨年のような水害の再発を防ぐには、氾濫水位に合わせて石垣を築かなければならない」と明記されているという。水位は最高で11メートルに達したことを考えると、非常に高い壁が築かれることになる。

しかし、当局が本当に防ぎたいのは水害ではなく脱北ではないかという疑惑が浮上していると情報筋は伝える。

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会寧市にはかつて、日本の植民地時代に作られた立派な堤防があった。花崗岩で積み上げた石垣に、鉄の網をかけた上から土をかけたものだった。ところが昨年5月、当局から堤防を撤去せよとの指示が下された。

撤去作業には、住民が総動員されたが、堤防が頑丈なため作業はなかなか進まなかった。ようやく作業が片付いた頃に、台風10号(ライオンロック)が襲来。当局が貯水池の水門を開けたために、川沿いの建物は水に流され、市内が水浸しになる大被害となった。

情報筋は「国際社会から食料援助を引き出すために、堤防を壊したのではないか」と見ている。当然のことながら、住民の間からは「この間、壊したばかりなのに、また作れとは何事か」と非難の声が上がっている。