北朝鮮においてもかつて、軍の一部がクーデターを計画したり、民衆が権力に抗議の声を上げたりしたことがあった。だが結果的に、いずれも体制の「血の粛清」で弾圧された。
(参考記事:同窓会を襲った「血の粛清」…北朝鮮の「フルンゼ軍事大学留学組」事件)これらの動きが大きなうねりにつながらなかった理由は、大きくふたつ考えられる。ひとつはテ氏の言う通り、北朝鮮が徹底した監視社会であること。たった数人の会合でさえ、秘密警察の内偵の対象になるとあっては、緻密かつ複雑な計画を成功させるのは難しい。
そしてもうひとつは、特権階級や、秘密警察など体制の走狗となってきた勢力と、一般民衆の間の利害のかい離が大きいことだ。
(参考記事:口に砂利を詰め顔面を串刺し…金正恩「拷問部隊」の恐喝ビジネス)仮にいま、北朝鮮で民衆蜂起が起きたとしよう。