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北朝鮮の富裕層の間で、自宅のインテリアを韓国式にリフォームするブームが起こっていることはデイリーNKでも報じているが、ついには金正恩党委員長の特閣(別荘)建設部隊まで、韓国式リフォームを請け負うようになった。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

北朝鮮のマンションの構造は、伝統的な家屋とソ連式建築が混合した形式で、各部屋は壁で仕切られていて、台所が土間にある。一方で、韓国のマンションは、真ん中に広々とした居間があり、キッチンや各部屋と繋がっている。

金正恩氏「特閣」も担当

北朝鮮の幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)は、韓流ドラマで目にした韓国式のマンションに心を奪われ、大枚をはたいてリフォームを行うのだ。

リフォームを担当するのは、北朝鮮最高の建設部隊として知られる人民保安省の8総局や朝鮮人民軍(北朝鮮軍)最高司令部直属の1旅団だ。この部隊は、金正恩氏の特閣、モランボン大劇場、玉流館など国を代表する建物の建設工事に携わってきた。

かつてなら、このような部隊を自宅のリフォームに動員することは考えられなかったが、拝金主義の風潮が高まり、カネさえあれば、こうしたこともできるようになった。

カタログを完璧に再現

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家主は、部隊の幹部と資材の調達方法、人件費などについて話し合い、合意すれば兵士を3人1組にして数十日間派遣する。

北朝鮮最高の建設部隊だけあり、韓国から取り寄せたカタログを元にして、完璧に仕上げるという。旧式の台所を撤去し、広々とした居間に作り変える。新しく作ったキッチンには壁掛け食器棚と、電気炊飯器の置き場所も作る。寝室にはダブルベッドを据え付けて、クローゼットも作る。

さらに、窓はアルミサッシに交換し、高級なカーテンを二重にかける。トイレには、大きな高級鏡と洋式便器を設置する。玄関にはカメラ付きのインターホンを設置する。誰が来たのかを確認して、ボタンを押せばドアの鍵が開くシステムだ。

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リフォーム費用は、資材、工事費、作業員の食費、宿泊費まで合わせて6000ドル(約64万円)もする。一般庶民の住宅価格より高価だ。そんな贅沢三昧に、一般庶民から怨嗟の声が上がっている。

金策工業大学教育者住宅のキッチン。換気扇には中国のハイアールのロコが描かれている。(画像:わが民族同士)
金策工業大学教育者住宅のキッチンとダイニング。換気扇には中国のハイアールのロコが描かれている。(画像:わが民族同士)

このような韓流ブームは、当局が建設するマンションの構造にも影響を与えている。新しく建設したマンションは、幹部やトンジュが好むような韓国式になっているというのだ。