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韓国の李明博大統領がスイスから帰国した。李大統領は韓国・インド首脳会談やスイスのダボス会議などで外交的な成果を上げたと評価されている。ダボス会議では、今後韓国が先進国と開発途上国の間で『大きな役割』を果たすという意思を表明した。

しかし韓国国内では、李大統領の『南北首脳会談の年内開催』という発言が大きなニュースになった。2月の第1週は、南北首脳会談の年内開催問題に関する大統領府と統一部、外交通商部などの発言が注目されるだろう。南北首脳会談はそれだけ敏感な問題だからだ。

南北首脳会談の開催と関連して、議題や時期などについて野党の反発も予想される。保守と進歩がそれぞれ賛成と反対の意見を示すと見られる。賛否をめぐり、保守派の声も高まるだろう。そのため、韓国政府は議題や時期、場所などの問題をめぐって原則と現実、そして国民の世論にアンテナを張り巡らすべきだ。

BBCやCNNとのインタビューの内容は、北朝鮮が核放棄の意思を明らかにすれば、グランドバーゲンを進めるというものである。

李大統領はBBCとのインタビューで、「私は金正日総書記に会う準備が常にできている。しかし我々は、有益な対話をし、核問題についても充分に話し合わなければならない。両国が和解と協力のために、開かれた心で会うべきだ。条件をつけてはいけない。そうすればいつでも会う。今すぐとはっきり言うことはできないが、おそらく年内には会えるだろう」と話した。

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CNNとのインタビューでは、「北朝鮮は核を放棄するかどうか決めなければならない時期に来ている。北朝鮮の内部事情もあるため、すぐには難しいかもしれないが、時間が経てばグランドバーゲンについても話し合える」と語った。

李大統領の発言を聞くと、これまで主張し続けてきたグランドバーゲンの内容と同じということが分かる。ただ、南北首脳会談は『年内開催も可煤xという発言から、現実に推進されるだろうという印象が深まっている。

大統領府のイ・ドンクァン報道官は、「原則に沿って条件と状況が合えば、いつでも南北首脳会談はできるという言論的な立場を強調したに過ぎない。現在、具体的に進んでいることはない」と明らかにした。

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昨年10月に韓国・労働部のイム・テヒ長官と北朝鮮・統一戦線部のキム・ヤンゴン部長がシンガポールで会談したが、首脳会談についてこれといった話は出ていない。しかし、非政府機関や個人を通じて南北が接触していると言われている。ヒョン・インテク統一部長官の、「すべては北朝鮮の選択にかかっている」という最近の発言には、韓国側はできることは全てやったので、北朝鮮がそれに応えるべきというニュアンスが含まれていると思われる。

最も重要なことは、南北首脳会談の議題である。具体的には、首脳会談で北朝鮮が核を放棄する意思を示し、韓国軍捕虜と拉致被害者問題の解決に乗り出すべきだ。この2つが満たされれば、6カ国協議の進展次第ではグランドバーゲンを推進し、北朝鮮が経済支援を受けられることになるだろう。

これまで韓国政府は、会談のための会談を行って経済的支援をしてきたが、核で裏切られるということはしないと公言してきた。そうした点からも韓国政府は、対北政策に限ってはバランスを保ってきたと言える。

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BBCやCNNとのインタビューでの李大統領の発言について、大統領府の関係者は口を揃えて、「大統領の発言は、北朝鮮が条件をつけずに首脳会談に出るべきという意味だ」と強調している。しかしこの発言の裏には、現在北朝鮮が首脳会談の対価を要求しているという状況があるとも推測できる。つまり、北朝鮮が韓国政府に、6.15宣言と10.4合意の内容を守るとまず約束すべきだと要求している可能性もあるということだ。核放棄という内容がないまま、6.15宣言だけを再確認する南北首脳会談であれば、10年前の南北関係に戻ることになる。

そのため、韓国政府が南北首脳会談の開催について肝に銘じるべきことは、やはり「原則を守る」ということだ。その先のことは北朝鮮の出方にかかっている。つまり、1)北朝鮮が核放棄に関する議題を受け入れるのか、2)韓国軍捕虜や拉致被害者問題に進展があるのか確認すべきであるということだ。グランドバーゲンを進められるだけ北朝鮮が本気で動いているのか確認し、本気であれば、積極的に一括妥結法案を推進するべきということである。

しかし、そうでなければ、南北首脳会談を開催する必要はない。最大限原則に沿って強く押し、北朝鮮が受け入れなければ未練を捨てると考えることが重要だ。

金大中元大統領や盧武鉉前大統領のように、「それでも大統領の在任中に、南北首脳会談を1度はしなければ・・・」と言っている大統領の側近、昔の表現を使うと『奸臣』と呼ばれるような人たちの話を李大統領が聞く必要はない。そうした話などには耳を傾けない人が、真の実用主義者といえよう。