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茂山鉱山連合企業所の功勲鉱夫のチ・チョルリョンさん(68歳)は、「一言一言に人民愛が脈打つ新年の辞を聞いて感激を禁じ得ない。おいぼれて掘削機は持てなくなったが、敬愛する元帥様の領導を奉じることの先頭に立つ」と誓いの言葉を述べた。

幹部は反省の弁を述べているが、庶民らは自己批判するというよりも、真摯な金正恩氏を称えるという内容だ。そもそも正恩氏が自己批判したからといって、庶民らがそれに乗じて表だって責め立てることなどできるはずもない。その反面、裏では正恩氏に対する酷い悪口も囁かれている。昨年8月、「大同江(テドンガン)ブタ工場(養豚場)」を現地指導した正恩氏に対して、庶民らは喜々としてあれこれと揶揄したという。

(参考記事:金正恩氏の「ブタ工場視察」に北朝鮮庶民が浴びせるヒドい悪口

対外的には衝撃をもって受け止められた金正恩氏の自己批判だが、庶民らは「いまさら余計なことを言いやがって」ぐらいの冷めた受け止め方をしているのかもしれない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記