北朝鮮の船舶の老朽化が深刻な状況だ。平均船齢は、世界平均を大きく上回っていると、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

アジア太平洋地域の船舶を管理監督し、加盟国の船舶を対象に安全検査を行っている東京MOUの資料によると、昨年検査を受けた北朝鮮の船舶は129隻。うち63隻は建造から30年を超えており、11隻が40年を超えていた。

また、一般的に「老朽船」とされる20年以上で30年以内のものが44隻。建造から10年経っていない新造船は4隻に過ぎず、平均船齢は29年だった。

国際海事機関(IMO)の調べでは、2010年末現在、世界の船舶の平均船齢は22年、貨物船は19年だ。それを考えると、北朝鮮の船舶の老朽化がいかに著しいかがわかる。

老朽化だけでなく、メンテナンスの不良も著しい。

今月11日、長崎県の五島列島の沖合で、浸水した北朝鮮船籍の貨物船「CHONG GEN」号が救難信号を発した。海上保安庁が現場に向かい、乗組員26人全員が救助された。「CHONG GEN」号の船齢は27年だった。

東京MOUの資料によると、この船は昨年4回の安全検査を受けて、そのたびに10ヶ所以上の欠陥を指摘されていた。また、昨年11月には中国山東省の日照港当局から停船を命じられている。

この資料の対象となっていないが、北朝鮮の木造漁船は遭難、漂着、沈没などの事故を度々起こしている。

昨年11月、京都府舞鶴市の岩場に北朝鮮のものと見られる木造船が漂着した。船内からは白骨化した9人の遺体が発見された。また、先月にも佐渡島の沖で木造船が発見され、船内から白骨化した遺体が2体収容された。

日本では、老朽船はメンテナンスコストがかかるという理由で、概ね18年程度で売却される。また、韓国では海運法で20年以上の船舶は毎年検査を義務付けられ、30年以上の船舶は運航が禁止されている

一方の北朝鮮では、船舶の多くが老朽船だ。おそらく、国際社会の経済制裁による外貨不足で、新造や修理に必要な原材料が輸入できないためと思われる。

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