2017年1月1日に発表した新年辞で「いつも気持ちばかりで、能力が付いてこなかった悔しさと自責のなかで去年一年を過ごした」と突然の自己批判をおこない、国民に向け頭を下げた金正恩氏。韓国の国策研究所・統一研究院のオ・ギョンソプ研究委員はデイリーNKに対し「『自責』という異例の単語を使ったのは、内政と経済の両面において住民の不満が高まり、民心の離反が進んでいるという反証」と分析する。
粛清の嵐
この見方を裏付ける一冊の資料がある。昨年12月に金正恩体制5周年を迎えたのを受け、韓国の国家情報院傘下のシンクタンク「国家安保戦略研究院」が刊行した「金正恩執権5年の失政白書(以下、白書)」だ。