人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮は今年の新年共同社説で、「人民の生活の改善」に全力を注ぐことをほのめかしている。そのため、対内外政策の方向もこの点に焦点が合わせられると予想される。

対内的には、金正日体制を基盤に後継体制を構築し安定させるために、市場を取り締まり、住民の政治・思想的離脱の可能性を事前に遮断し、対外的には核兵器の保有を既成事実のものとし、交渉を通じて経済支援などを模索すると思われる。

キム・ヨンファン時代精神編集委員が18日にデイリーNKと行ったインタビューで、キム・ジョンウン後継体制の構築と関連し、 ▲金正日の権威の弱化 ▲金正日の健康悪化による役割の縮小 ▲「貨幤改革」などによる政治的不安定性などを指摘し、「金正日の時よりもキム・ジョンウンが後継者になる過程の方が、不安要素が多い」と主張した。

去年11月30日に断行した「貨幤改革」については、「市場を国家が統制するためのもの」と述べ、「住民が市場活動を通じて得た、自生的な思考方式に打撃を与えるための措置」と解釈した。

「(1990年代半ば以後の)北朝鮮の住民の生活は、国家の計画に基づいて意図どおり動いてきたものではなく、自生的に発展して、発展の力量を蓄積してきた過程だった。そのため北の政府は、何か打撃を与えなければ、住民が金正日に依託・依存していた「金正日の力だけが住民を生かすことができる」という考えから脱し、自立して自らの力に頼るという考え方が徐々に発展すると判断したはずだ」

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

住民の自生的な思考や意識が発展すれば、金正日体制に対する不満も徐々に高まり、結局は本人と後継者に対する脅威になる可能性があるという説明だ。

キム編集委員は「そうしたこと(自立した考え方)に根本的な打撃を与え、そのような意識を無くさなければならないというのが、今回の『貨幤改革』のより根本的な目的だった」と断言した。

さらに、「住民の意識の中で、過去の金日成は『神様』だったが、今は神の地位が『お金』になった」と言い、「だがお金を紙切れにしてしまったため、それに対する怒りは相当期間続くだろう」と指摘した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

特に、「現在の速度で『貨幤改革』によるインフレが進めば、住民の苦痛もひどくなり、その苦痛に対する不満や、その不満が政治的反対、体制に対する抵抗の意識に発展する可能性も排除することができない」とキム編集委員はのべている。

また、北朝鮮の「『先』平和体制、『後』非核化」という対米攻勢には、「我々が核を開発した理由は、我々自らの平和を得るため」と宣伝するという目的が1つあり、2つ目は、「結局核問題を討論する過程で、自分たちが何を得たのか、最小限我々はこうしたものを譲歩したという、そのような感じを与えることができるカードを取り出したということ」と分析した。

核交渉の展望に対してキム編集委員は、「簡単ではない」と言いながらも、「米朝不可侵協定や、中国が北朝鮮の安保の脅威に『自動介入』することなどを保障しなければならないが、アメリカと中国ともに受け入れ難いことだろう」と予想している。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

羅津・先鋒特区の選定と関連しては、「中国以外に投資者を確保することは難しいだろう」と言い、「中国は港を確保しなければならないという側面と、新しいブルーオーシャンを開拓しなければならないという点から、対北投資の危険性は高いが、長期的には大きな利益が出る可能性もあるので、投資が考慮される可能性はある」と推測した。

北朝鮮の対中戦略に対しては、「核兵器を一応確保し、後継体制も本格化したという条件で、中国が北朝鮮の核問題を根本的に敵視しなければ、中国が北朝鮮の安保を保障し、後継体制を保障することに、(北朝鮮は)現実的に多くを頼らざるを得ない」と語った。

また、「今すぐは、住民を不安にさせるかも知れない経済的困難を乗り越えるために、中国の助けを借りなければならないため、もう少し中国に依存するようになると思われる」と付け足した。

北朝鮮の対南平和攻勢も、後継体制の安定と核政局に利用するための戦術であると、キム編集委員は分析している。

キム編集委員は「後継体制の安定と安保の保障などで、どのようなものであれ助けを得ようとするだろう」と言い、「李明博政府は、対北政策でも特定の路線に固執する政府ではないため、北朝鮮はそうした側面から、それなりに韓国を活用することができる余地があると判断しそうだ」と述べた。