「東亜日報」で健筆をふるう脱北者のチュ・ソンハ記者は、ヨーロッパに住む消息筋を引用し「朝鮮労働党39号室大聖(テソン)指導局ヨーロッパ支局総責任者のキム・ミョンチョルが、欧州のある国家で二人の息子と姿をくらませ、極秘に当局の保護を受けている」と報じたのだった。
記事ではさらに「キム氏が管理していた資金はユーロとポンド、ドルなど総額4000億ウォンにのぼり、すべて持ち出した」と伝えている。これはとんでもない金額だ。
熾烈な情報戦
チュ記者は今年2月11日に閉鎖された開城(ケソン)工業団地が稼働していたころ、北朝鮮当局が韓国側から受け取っていた金額が年に約1億ドル(1062億ウォン)程度であることを例に挙げ「北朝鮮の指導部を揺るがすほどの金額が消えたことになる」とショックの大きさのほどを表現する。