韓国を訪問しているウィティット・ムンタボン国連北朝鮮人権特別報告官が、北朝鮮が司法の面では一部で人権改善のための措置を取ったが、いまだに深刻な水準の人権問題が存在すると判断されると15日に指摘した。

ムンタボン報告官はこの日、ソウルのプラザホテルで開かれた訪韓結果に関する記者会見で、北朝鮮の人権状況について、「北朝鮮がこれまで刑法や障害者差別禁止法、児童に関する法律を改善したことは事実だが、一般の人々の生活ではより深刻になった部分もある」と述べ、「特に脱北者の処罰が最近一層ひどくなったと聞いている」と語った。

これについて、「2003年と2004年には違法な越境者に対する処罰が緩和されたが、最近はむしろ処罰が強化されている」と述べ、「労働による処罰の代わりに監獄に送られたり、家族が連座制で処罰されたり、ひどい場合には処刑されると聞いた」と説明した。

ムンタボン報告官は、「韓国の人道主義的対北政策は続くべきであり、強化されなければならない」と言いながらも、「受恵者が接近を許されない支援はだめだという国際的な原則に即して、適切なモニタリングが行われなければならない」と指摘している。

ムンタボン報告官はこれについて、「食糧は支援されるだけでなく配分も重要である。必要としている人が食糧支援を受けなければならないため、このことを強調する」と言い、「食糧配分の過程を改善しなければならない」と述べた。

さらに、戦争捕虜や離散家族、拉致被害者などの問題を満足がいくように解決するために、より多くの努力を注がなければならない」と言い、「離散家族の再会は、短期間の出会いを越えて長期間会えるように、努力を続けなければならない」と勧告している。

脱北者問題については、「すべての国家は亡命者を人道的に待偶しなければならず、彼らが出身国を去らざるを得ない原因が、より効果的に解決されなければならない」と述べ、「亡命を希望する者が危険な状況に連れ戻されてはならない。強制送還禁止の原則が守られなければならない」と促した。

国際社会の制裁の可能性については、「必要があれば国連安全保障理事会で人権問題に対する制裁が可能」と述べ、「だが、いまだに北朝鮮の人権に関するブリーフィングが行われていない。安保理の要請で(北朝鮮の人権状況に対する)ブリーフィングが行われたら、状況が進展する可能性がある」と言及した。

さらに、盧武鉉政府と李明博政府の北朝鮮人権政策の差に関して、「両政府とも北朝鮮人権政策はあるが、優先順位が違うと見られる」と述べ、「前政府では(北朝鮮に対する)食糧(支援)問題に集中し、現政府では国軍捕虜や拉致被害者、離散家族の問題に多くの関心を寄せていると明らかにしていて、政策がある」と伝えた。

ムンタボン報告官は一方で、北朝鮮の最近の情勢が住民の生活を一層疲弊させていると述べた。

「北朝鮮政権は既存の権力のために服務して、個人と集団の権利を保障するという側面で困難に直面している」と言い、「先軍政治により国家資源が偏在し、不均衡な開発が行われている」とムンタボン報告官は指摘している。

また、「食糧不足が続いていて電気や医薬品、肥料やその他の物資も不足し、それ以外にも食糧配分がねじまげられている」と言い、「北朝鮮はまた、市場を閉鎖して経済活動を取り締まるなど、市場制度を抑圧している」と語った。

それ以外にも、「国民動員の一環である150日・100日戦闘は、大多数の国民に意志に反する労働を強要しており、国家は弾圧しながら開発を進めている」と述べ、「反体制活動家やその家族に対する処罰が広く行われ、許可なしに国境を越えた住民に対する処罰は相変わらず非常に厳しい」と強調した。

北朝鮮の人権状況に関する報告書を作成するために、資料収集や調査で11日にソウルを訪問したムンタボン報告官は、韓国政府の関係者や非政府機関(NGO)の関係者などと面談し、脱北者の定着支援施設であるハナ院も訪問した。ムンタボン報告官は2004年と2005年、2006年、2008年にも韓国を訪問している。

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