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金正恩氏が、犯罪と関連して指示を下したのは今回が初めてではない。今年10月には、水害被災地で盗みを働く朝鮮人民軍兵士への対応を巡り、「復旧建設中に人民の財産に手を出す現象が発生すれば、その場で銃殺してもいい」と指示。ほかにも、薬物犯罪や売買春を厳しく取り締まるよう命じていると伝えられている。

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しかし、北朝鮮における犯罪の多くは、現実とはかけ離れて極めて低い国営企業や機関の給与水準、それを穴埋めするために横行するありとあらゆる不正行為にある。こうした国全体の問題が解決しない限り、いくら強権で押さえつけても、犯罪が根本的に減ることはないだろう。

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高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記