「お米のご飯を食べていた人たちも、今はお粥を食べている。こんな有様なのに、お粥を食べていた人たちがお米のご飯を食べているだろうか。その人たちはもっと気の毒な状況になった」と、12日にデイリーNKと通話した北朝鮮新義州の内部消息筋が、北朝鮮内の雰囲気を伝えてきた。
貨幤改革の後、物価はあまり上がっていない。食糧や商品の流通自体が禁止されて、労働者の購買力が弱まったからだ。市場は２ヶ月近く閉鎖されたままだ。
4人家族の労働者に、平均5000ウォン支給された。だが、このお金は1ヶ月平均50キロの米を消費すると想定したら、食糧を購入しただけでも1カ月で無くなるだろう。
咸鏡道の複数の消息筋も、「貨幤交換で死んで行くのは労働者だけだ」と述べ、「自分で（商売で)稼ぐこともできないようにして、だからといって国家が保障してくれるわけでもない」と話した。
新義州の消息筋は、「上（北朝鮮政府)は貨幤改革で『労働者や農民がよい暮らしをできる世の中がきた』と大声で叫んでいたが、生活難は時間の経過とともに極限に達しつつある」と言い、「食糧の流通を完全に遮断したので、市内（都市)の人が全員飢餓の危機に直面している」と訴えた。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面消息筋は食糧難の原因について、「国家が配給を解くことができなければ、市場だけでも自由に行けるようにしなければならないのに、今は市場を全部封鎖してしまって、今日の生計の見通しも立たない」と述べ、「米の価格（1キロ=100ウォン）が上がって、月給だけではどうにもならない」と声を高めた。
住民の生活を安定させるための対策は全くない一方、外貨の使用禁止や市場の閉鎖を含む統制措置だけ大幅に強化したため、住民が崖っぷちに追いやられている。
北朝鮮政府は12月28日に外貨の使用を完全に禁止することに関する布告文を発表し、年初には各地域の市場を閉鎖してしまった。食糧は個人どうしでこっそりと取り引きされている。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面両江道恵山市では、1月5日から恵山市場とウィヨン市場の正門全てにかんぬきを差して、商売を完全に禁止した。
咸鏡北道でも、11日から清津市のスナム市場や会寧市、茂山郡、穏城郡など地方の市場で、「しばらくの間市場を閉鎖する」と宣布して、すべての商売が中断している。
市場を閉鎖した時間が地域ごとに違い、公式の国定価格も提示することができていないため、貨幤改革後の北朝鮮政府の悩みも1つや2つではないことが伺われる。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面一方で消息筋は、現在北朝鮮が直面している食糧難について、「農民に対する誤った国家政策」と言い、「突然国家が農民たちに現物（食糧）を分配して、お金を沢山握らせたため、農民も米の価格が上がるのをひたすら待っていて、食糧を売ってくれない」と伝えた。
北朝鮮は12月中旬以降、国家計画を遂行した農場の農場員に限り、1人当り最高15万ウォン、国家計画を達成できなかった農場の農場員に対しても1万6千ウォンまで新札で支給した。
お金の心配がなくなった農民が保管している食糧を売らないため、都市の住民の食糧難が深まっているということだ。
こうした被害は、そっくりそのまま労働者たちに及んでいる。
この消息筋は、「労働者たちは生活費（月給)を全て合わせても5千ウォンにもならないのに、米の価格が100ウォンなのでこれまで米を買って何とか生活していたが、もう残っているお金もない」と言い、「食べ物もないのに昼も夜も堆肥を増産すると言って人を動員するので、みんな死んでしまうとわめいている」と現地の様子を伝えた。
北朝鮮では、食糧以外の栄養食品を摂取することもできないため、韓国の60~70年代と同じくらい食糧消費の割合が高い。軍人や一般の建設労働者は1日600グラム、1カ月18キロの食糧を必要とするが、それも不足していると脱北者の多くが証言している。
貨幤改革と初月給で4人家族の家庭が5千ウォンもらったが、現在国境付近の都市の食糧の価格は、1キロ100ウォンである。国境以南の内陸の都市では、食糧の価格が1キロ130~150ウォンと国境地域よりも高いと消息筋は主張している。
消息筋は、「貨幤交換以後、すべての人がただ食糧問題を解決することだけを考えている」と言い、「新しい服を購入するとか、別の品物を購入するということは夢に見ることもできない」と語った。
また、現在北朝鮮で食糧の価格が約100ウォンで、それ以上上がらないことについても、「みんなの手元にお金があれば値段も上がるのではないか」と言い、「こっそりと米を売っている商人や、これまで米を売ってきた『収買商店』にお金がすべて流れて行って、一般の人の手元にはお金がない」と話した。
消息筋は最後に、「国家が何とかして対策を立ててくれないと。今のような状態が続いたらどうなってしまうか、予測すらできない」と言い、「商売をしていた時は飢え死にした人は数人だったが、今は国中が飢餓の危機に直面している」と警告した。