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ポーランド当局は、北朝鮮労働者を雇っている自国企業に対して大々的な監査を行い、複数の労働法違反事例を摘発した。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

ポーランドの国家労働検査局(PIP)によると、今年9月までに行われていた監査で、違法雇用、強制労働、人身売買の事例は発見されなかったが、労働法と「雇用促進と労働市場制度法」の違反事例が、監査対象の企業の多くで摘発された。

PIPは、摘発企業に是正措置を命じ、改善案を提示した。また、違法行為を行なった個人に罰則を課し、一部は裁判所に告発した。

違反事例としては、職業斡旋所、北朝鮮労働者の法的権利の侵害、労働安全と健康に関する規定違反の3種類に分けられる。

職業斡旋所に関しては無許可営業・活動に関する虚偽報告・労働許可証の誤用と乱用、法的権利の侵害に関しては勤務時間の不正確な記録・労働条件の通知の怠り・残業手当の未払い・社会保険の未加入、労働安全に関しては危険箇所の表示や安全措置の不徹底が指摘された。

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PIPは、北朝鮮労働者を雇用している外国系企業と、北朝鮮企業を対象に同様の監査を行う方針だ。

ポーランドは、EU加盟国で唯一北朝鮮人労働者を受け入れている。今年6月、ドイツのメディア VICE Germany がその実態を暴露したことをきっかけに、ポーランドに対する圧力が高まった。当局は、労働者の新規受入を中止し、監査を行う方針を示していた。

(関連記事:独メディア、ポーランドの北朝鮮労働者受け入れ実態を暴露

ポーランド外務省は、韓国の東亜日報の取材に対して、昨年は北朝鮮労働者156人に労働ビザを発行したが、今年1月の北朝鮮の4回目の核実験の後は、新規のビザを1件も発行していないと明らかにしている。

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現在、ポーランドでは550人の北朝鮮労働者が働いているものと思われるが、ビザ発給時の書類に虚偽の記載がある例も多く、正確な実態把握は難しい模様だ。

一方、VICE Germanyが、北朝鮮労働者の雇用先と報じていたグディニアのCRIST造船所を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の記者が今年11月に訪れた際には、彼らは姿を消していた。外部の目が届かない地方に移動させられたとRFAは報じている。