韓流ドラマをはじめ、海外の映像が国内で流通することに北朝鮮当局は目を光らせている。「国民の思想を資本主義に染め、国家の瓦解につながる」というのが理由だ。だが、北朝鮮の国民も人間である。「知りたい」欲望はとどまることを知らず、当局とのあいだにイタチごっこが続いている。

特に苛烈なのが、北朝鮮では完全に禁じられている「成人モノ」をめぐる争いだ。当局は精神的堕落の象徴と見なし厳罰でのぞむも、住民にとっては最大の娯楽のひとつであるため、CD-RやUSBメモリなど、最先端の方法でやり取りされてきた歴史がある。

そんな中、世間を騒がせた「盗撮ポルノ事件」の顛末がわかってきた。証言してくれたのは、現在は韓国に住む脱北者のユン氏(50代男性)だ。

日本製も流通

ユン氏によると、事件があったのは2014年初めのこと。北朝鮮北部・両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市に住んでいた28歳の男性パク氏(仮名)が、盗撮によるポルノ映像を制作し全国に流通させた。