北朝鮮で、当局の監視の目をくぐって流通する韓流ドラマや外国の映画が、国民の意識に大きな影響をもたらしていることは良く知られている。しかし、テ氏ほど高位にあった人物が、このようにハッキリと、韓流エンタテインメントの影響力の強さについて語ったのは初めてではないだろうか。

北朝鮮情勢を概観するなら、米国のオバマ政権の戦略的忍耐も、韓国や日本による制裁や圧迫も、北朝鮮国内にこれといった変化を呼び起こせずにいる。それに比べ、人間の本能に訴えるエンタテインメントの何と強力なことだろうか。

金正恩体制は、韓流ドラマや外国の映画を見たというだけで女子高校生を公開裁判にかけたり、女子大生を拷問して死に至らしめたりしているが、それほどムキになって取り締まりをしなければならない理由が、ここにあったというわけだ。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

英国メディアによれば、テ氏の次男のグムヒョクさん(19)は名門大学への進学が決まっていた秀才とのことだが、彼にはほかにも、祖国・北朝鮮のイメージとはかけ離れた横顔があったようだ。