人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮の労働新聞は、8月末の台風10号(ライオンロック)で被害を受けた咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)、延社(ヨンサ)で、被災者1万1900世帯が入居できる住宅3000棟が完成したと報じた。

ところが、実際は全体の1割ほどが空き家になっていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

その理由として、まず水害前と比べて地域の人口が減少したことが挙げられる。

畑や仕事などの経済基盤を失ったり、水害の恐怖体験で村に戻ることを怖がったりして、よその地域に引っ越した人も少なからずいるからだ。また、水害で国境警備施設が破壊されたすきに、脱北した人もいる。

次に、住宅に欠陥があり、シックハウス症候群が多発しているため、それを恐れて、家を修理して、来年春になってから入居するという人もいるとのことだ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

また、新しい家には電気が供給されず、当局からの家財道具の配給がないため、寒くて住めないという人もいる。

中には「元帥様(金正恩党委員長)からの贈り物」の家に住むのは面倒だと、入居を嫌がる人もいる。欠陥住宅の可能性が高いことと、下手に修理をすると、「元帥様からの贈り物に手を入れる恩知らず」として政治犯扱いされかねない。また、売買も自由にできない。

そこで、こうした「いわくつきの家」を避けて、わざわざ、古い家を購入、もしくは借りる人もいる。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮当局としては、空き家が存在する状況は非常に都合が悪い。そこで「空いている家には誰でも住んでいい」との布告を出したというのだが、反応は今ひとつだという。来年の春には無理やりにでも入居させて、入居率100%を達成するだろうと情報筋は見ている。