北朝鮮対米韓という構図では劣勢を強いられた正恩氏は1月と9月の核実験、また中距離弾道ミサイルの発射実験を強行し、必死で抵抗を試みながら反撃の機会を虎視眈々と狙っていたに違いない。
そして、韓国で崔順実ゲートをめぐり朴大統領が窮地に陥り、米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選した直後から、金正恩氏の軍関係の活動が増え始める。
11月に南北軍事境界線に近接するカルリ島と長在島(チャンジェド)の防御隊を視察した際には、わざわざゴムボートに乗る姿を公開した。この写真には偽造説も囁かれているが、視察では「延坪島火力打撃計画戦闘文書」を承認するなど、極めて好戦姿勢を強めている。
(参考記事:金正恩氏はなぜ「ゴムボート写真」を偽造したのか)つまり、金正恩氏は米韓の対北朝鮮政策に空白が生じているこのタイミングで劣勢から攻勢へ転じようとしているのだ。