その最初の証言者となったのは、脱北女性のキム・チャンミさんだ。2007年、チャンミさんはいったんは中国へ逃れたものの北朝鮮に強制送還され、拘留場、集結所、教化所に収監され、ひどい人権侵害を受けた。
彼女の体験談は、どれもにわかには信じられないようなものばかりだが、とりわけひどいのが、北朝鮮の収容施設で当局幹部により強姦され、妊娠させられ、麻酔もせずに中絶手術をされたというものだ。
北朝鮮の収容施設で、こうした行為が横行しているということ自体は、以前から知られていた。しかしいざ、当事者の証言と接すると言葉を失ってしまう。
(参考記事:刑務所の幹部に強姦され、中絶手術を受けさせられた北朝鮮女性の証言)しかし当事者の告発なくして、人権侵害の責任追及は力を持たない。