人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

彼女は、朝鮮労働党中央委員会・宣伝扇動部の副部長の要職にある。宣伝扇動部は、国民の思想や情報の統制を司る部署だ。北朝鮮で外部の情報に触れた人々が、拷問や銃殺を含む厳しい処罰を受けているのは、周知のとおりである。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

与正氏はおそらく、今後も兄の側近として存在感を強めていくものと思われる。そうなるほどに、彼女に対し「人権侵害の責任を問うべき」とする声は強まらざるを得ないだろう。30代と20代の若さで独裁体制に君臨する兄妹は、国の内と外に、容易には逃れられない難問を抱えていると言える。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記