しかし、彼女たちのうちの1人でも北朝鮮に帰国させ、「私は韓国当局に拉致されました」と証言させることが出来れば、集団脱北から受けたダメージを少なからず相殺できるだろう。
もっとも筆者とて、北朝鮮がそのような工作活動を狙っていると証明できる客観的材料を持っているわけではない。だが、ひとつ気になることがある。北朝鮮が今年6月になって16年ぶりに再開した、海外の工作員向けの乱数放送である。その目的と内容は、いまだ誰にも分っていないのだが、「美人ウェイトレス奪還」の指令であったとしても不思議ではなかろう。
(参考記事:金正恩氏に「指名手配」された脱北美女たちの運命)いずれにしても、金正恩党委員長の工作員たちが彼女らを奪い返そうとしているのは、半ば北朝鮮が認めたようなものでもある。