北朝鮮当局は外貨稼ぎのため、海外へ多数の労働者を派遣している。そのうち、ロシアに派遣された労働者の数は19万人に達するとも言われているが、労災事故が後を絶たない。
ロシア国営通信・スプートニクの韓国語版によると、今月19日、モスクワ郊外の建設現場でコンクリートの壁が倒れ、複数の北朝鮮労働者が下敷きになった。救急隊が駆けつけて全員を救助したが、1人が死亡、2人が重傷を負って病院に運ばれた。
また、ニュースサイト「Gazeta.ru」によると、14日には、サンクトペテルブルクのゼニト・アリーナ建設現場のそばにある宿舎で、47歳の北朝鮮労働者が死亡した状態で発見された。市当局は死因を過労死と見ている。
海外に派遣された北朝鮮労働者をめぐっては、長時間労働、行動、通信の自由の阻害などが多数報告され、人権問題として台頭しつつある。これに加えロシアでの派遣労働の場合、安全を軽視する傾向があり事故多発の原因となっている。
前述のサンクトペテルブルクの建設現場では、昨年12月に建設を開始して以来、労災死亡事故が5件も発生。このスタジアムでは来年にサッカーのコンフェデレーションズカップが開催される予定だが、工期に間に合わせるため無理な工事を進めていることも、事故原因の一つと見られている。