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北朝鮮の市場で11月から「二部制」という制度が実施されている。1つの売台(ワゴン)を月水金と火木土に分け、2人の商人が使用するという。実施の背景を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、二部制の実施は初めてではない。2011年10月にも導入されたことがあるが、市場は混乱に陥った。その2ヶ月後に金正日氏が死去したことで、自然消滅していた。

当局は2012年12月にも改めて導入を図ったが、しばらくして元に戻ってしまった。

以前は、市場の外の道端で店を広げる「バッタ市場」「ダニ市場」を市場の中に入れるための措置だったが、今回の再実施の目的は違うようだ。

情報筋は、二部制再実施の理由を「当局の金儲け」だと説明する。

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「市場で商売するには1週間で3500北朝鮮ウォン(約42円)の市場管理費を払わされる。今回の二部制実施で営業時間は半分に減ったが、管理料は据え置きされたので、事実上の値上げだ」(情報筋)

ショバ代を徴収か

たった40円ほどのカネだが、大きい市場では、売台の数が数千に及ぶことを考えると、決して小さい額ではない。

「税金制度のない国」を公式に宣言している北朝鮮だが、税収がなくては地方政府の運営ができない。そこで、市場の「ショバ代」や駐輪場利用料を徴収することで、税収としているのだ。また、市場管理所と商人の間では様々な理由でワイロが行き交う。市場は、最も身近な利権の温床なのだ。

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一方で当局は、今回の二部制再実施と同時に、毎週土曜日に市場を閉鎖する方針を示した。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、中央は「正規生活の日」に定め、商人に対して「商売をするのではなく、元々所属している組織や職場に行って、生活総和(総括)、政治講演会、学習会に参加せよ」との指示を出している。

これは、一般の住民から上がっていた「商人は正規生活に参加しないからずるい」との声を受けてのものだ。

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さらに当局は、軍需品、中国製の中古製品、韓流ドラマを見るためのノートテルなどの販売を禁止した。しかし情報筋は「このような命令はいつものことで、市場を統制しようという目論見はないように思える」と伝えている。

いずれの措置も、しばらくすると自然消滅するものと思われる。商人が商売する時間が減ると、役人が手にする収入やワイロが減ってしまうからだ。