この話を聞いて疑わざるを得ないのが、保衛部はもしかしたら、大水害を「金儲けのチャンス」と捉えたのではないかということだ。公開処刑や政治犯収容所の運営を担い、金正恩体制の恐怖の象徴である保衛部には、誰も逆らうことができない。彼らはその立場を利用し、無実の人々までを「スパイ容疑」で逮捕し、親類縁者から多額の身代金をせしめている。
(参考記事:口に砂利を詰め顔面を串刺し…金正恩「拷問部隊」の恐喝ビジネス)そして、保衛部がどうしてそんなことをするかと言えば、一義的には金正恩氏への上納金を稼ぐためである。それを納めてこそ、彼らの権力も保たれ、恐喝ビジネスで私腹を肥やすこともできるからだ。