件の発言は、「北に内部崩壊やクーデターを起こすことを検討しよう」という意味を裏返したものだ。
そのような目的をもって北の内部に変化を起こし、それを外から支援するには、人権問題が最も強力な大義名分になる。「殺されていく北朝鮮の人々を、今すぐにでも救わねばならない」との主張を掲げるのである。
ならば、トランプ政権が発足したらどうなるのか。トランプ氏やそのブレーンたちも、「北朝鮮の人権問題は重大だ」くらいのことは言うかもしれない。しかしその度に、人々は彼の発してきた人種差別的な言葉の数々を想起するだろう。北朝鮮に対する人権包囲網が、これまでに比べ真剣味の薄れたものになるのは避けられないのではないか。
次に軍事面だが、実はここにも人権問題は絡んでくる。