被害が最も深刻だったとされる茂山(ムサン)郡では、中朝国境の川・豆満江(トゥマンガン)沿いに1.2キロメートルにもわたって建物群が押し流され、廃墟と化している。これは被災地の一部に過ぎない。全体でどれほどの惨状が広がっているのか、想像しただけでも戦慄を覚える。
(参考記事:村全体が消滅…北朝鮮・水害被災地の衛星写真)これまでも繰り返し指摘してきたが、こうした被害の一部ないし相当部分は、人災によりもたらされたものだ。北朝鮮では過去にも、大規模な災害や事故が起きるたび、人災により被害が拡大するということが繰り返されてきた。
(参考記事:北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図)今回の水害においては、北朝鮮当局による「予告無しのダムの放流」が被害を拡大させたと言われている。