北朝鮮が今回の貨幣改革で新しく発行した高額紙幣に金正日を象徴する図案を入れたのは、3代世襲に向けて『革命2世代目』である金正日の正当性を確立させるためだという主張が出ている。
オーストリア・ウィーン大学のリューディガー・フランク教授が14日に、アメリカのシンクタンク、ノーティラス研究所のホームページに寄稿した『北朝鮮の新貨幣、権力の変化を象徴しているのか』という論説で、「貨幣改革は経済的にインフレを抑え、新しい中産階層を崩壊させるための政治的な措置だが、同時に北朝鮮の政治体制においても注目すべきパラダイムの変化を象徴している」と述べた。
フランク教授は、「象徴は北朝鮮当局の昔からの宣伝方法の1つだ。外国人は金日成と金正日に関連がある花とは知らずに花の写真を撮る。また、白頭山の頂上にある湖が象徴しているのが反日ゲリラ活動に対する歴史的な自負で、荒波は外部勢力の圧力に対抗する朝鮮民族の意志を示している」と説明した。
今回新しく発行された3種類の高額紙幣の図案にも、北朝鮮が宣伝しようとしている重要なメッセージが盛り込まれているとフランク教授は主張している。
フランク教授によると、最高額の紙幣である5000ウォン札には過去のように金日成の肖像画が描かれているが、旧札の図案とは少し違う点があるという。旧札には50代で黒い髪の若々しい金日成が描かれていたが、新札には白髪が混じった年を取った肖像画が描かれている。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、「2000ウォン札には初めて、革命の2代目である金正日を象徴する図案が登場しているが、これが注目すべき点」と主張した。
2000ウォン札の表には、金正日が生まれたと言われている白頭山のミルヨン地域の生家と正日峰の絵があり、裏には白頭山の風景が描かれている。
これについて教授は、「金正日の写真を出さずに金正日を象徴するものを紙幣に入れた、洗練された方法で2世代目であることを強調している」と分析した。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面旧紙幣の1000ウォンと5000ウォンには、金日成の肖像画と万景台の実家の絵が刷られている。だが新札には、金正日を生んだ金正淑が生まれたフェリョンの実家と、抗日パルチサンを象徴する三池淵が浮ﾆ裏に描かれている。
フランク教授は、「北朝鮮の最高額の3種類の紙幣は、白頭山の3人の英雄を意味している。さらに家族を象徴している。最も重要なメッセージは、不滅の指導者である金日成が唯一の指導者ではなく、最初に統治した第1世代の指導者として描かれていること。そして、金正日が現在北朝鮮を統治している第2世代の指導者として描かれている」と指摘した。
また、「第1世代と第2世代がいたら自然に3世代目が出る余地がある」と述べ、今回の新札発行が北朝鮮の後継者問題と関連していると説明した。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面それ以外にも、「金正日を新しい紙幣の図案に入れて象徴化させる作業で、金正日が金日成の影響から徐々に抜け出して、独自の権威を持つことになる。さらに、次世代への権力委譲の正当性をはっきりさせるためのイデオロギー的意図も内在している」と述べた。
さらに、「金正日は危険な要素はあるが、金日成の影響から抜け出そうとしている。これは自分の息子であるキム・ジョンウンや集団に効果的に権力を移譲するために、彼自身独立した正当性を構築することが不可欠だからだ」と指摘した。
フランク教授は、「金正日は北朝鮮では挑戦することが想像できない不滅の指導者である金日成から権力を移譲されたため、これまで北朝鮮内では権力に対する挑戦はなかった。金正日も自分の正当性は金日成から受け継いだものだといつも強調していた」と述べた。
しかし、「権力継承の問題が浮上し、金正日の健康悪化説もうわさされている中、このような戦略がジレンマに陥った。金正日自身に独自の権威がなければ、次世代への権力移譲は難しいだろう」と分析した。