その狙いは「南南葛藤」。つまり、韓国国内の懸案をめぐり、意見対立、衝突など、とりわけ左右の対立を煽り、社会と政権を動揺させることだ。さらに、金正恩党委員長にとっては、朴大統領に無残な敗北を喫した過去を払拭するチャンスでもある。
昨年8月、軍事境界線付近で発生した地雷爆発事件をめぐる南北対立で、韓国側は、地雷が爆発する監視カメラの動画を公開してまで、北朝鮮側にプレッシャーをかけた。北朝鮮は「遺憾」の意を表明し、事実上の謝罪に追い込まれた。
(参考記事:【動画】吹き飛ぶ韓国軍兵士…北朝鮮の地雷が爆発する瞬間)さらに米韓は正恩氏をターゲットにした「斬首作戦」を導入するなど、たたみかけるように心理的圧力を加えた。金正恩氏は今年1月6日と9月9日の2回にわたって核実験を強行。また、中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射実験を8回も行いながら、劣勢を挽回すべく米韓の圧力に対抗してきた。