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北朝鮮政府が貨幤改革に先立ち税関や貿易機関、外貨稼ぎ機関に対する厳しい検閲を行っていたことが一足遅れて明らかになった。

税関と外貨稼ぎ機関に対する検閲は、貨幤改革を通じて市場の商人の財産を差し押える前に、こうした機関と市場の「大きな手(問屋)」とのつながりを断つための措置だったと思われる。

6日にデイリーNKと通話した北朝鮮内部、咸鏡北道の消息筋は、「11月27日に(咸鏡北道)清津市と羅津-先鋒市の貿易管理局や外貨稼ぎ事業所、第5号管理所に対する奇襲的な検閲があった」と述べ、「検閲は清津の保衛司令部と第9軍団の保衛小隊、道検察所の構成員が合同で行った」と伝えた。

両江道の複数の消息筋も「今回の検閲は、税関と軍部隊の貿易機関まで例外なしに行われた」と伝え、「検閲する人たちが7、8組に分かれて同時に急襲したため、(外貨稼ぎ機関が)内部に蓄積していた品物を取り除いておく時間もなかった」と証言した。

また今回の検閲の背景については、「これまで外貨稼ぎ機関がお金持ちの人たちを職員として引き入れて、数人の個人が外貨稼ぎ機関を左右してきた」と述べ、「個人が国家の外貨稼ぎ機関まで掌握しているということで、上がかなりの問題意識を感じたのだろう」と説明した。

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北朝鮮の奇襲検閲の対象は税関と貿易機関、外貨稼ぎ機関が保管していた貿易取り引き帳簿や、外貨稼ぎ機関の倉庫に保管されていた輸出入を目的とした品物だった。

この消息筋によれば、先月27日の朝、清津市の保衛司令部が第9軍団の保衛小隊や道の検察所にそれぞれ検閲要員を20人ずつ緊急に組織して送るよう指示した。保衛司令部に集結するまで、第9軍団の保衛部や道の検察所は、新しい検閲グループ(検閲隊)を組織するため、検閲の日程と詳細な事項を伝える会議を開くものと思っていたという。

だが保衛司令部は関係者が到着するやいなや、人員を10以上の組に分けて、検閲の対象と検閲の主旨を簡単に知らせた後、あらかじめ待機していた第9軍団司令部のトラックに乗せた。トラックにはそれぞれ既に10人以上の軍人が乗っていて、目的地も知らされなかったという。

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非常に電撃的な措置だったため、軍団の保衛部と道の検察所の構成員が上部に報告する暇もなかったという。

それぞれの組が保衛司令部があらかじめ決めていた税関や貿易機関、外貨稼ぎ機関を急襲して取り引きの内訳を確認して、文件を回収した。外貨稼ぎ機関では、品物を保管する倉庫を強制的に開けさせて、保管しておいた品物を全て回収したという。

この日の検閲には3時間もかからなかったそうだ。だが、検閲を受けた外貨稼ぎ機関や個人の損害は非常に大きかったと消息筋は伝えてきた。

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消息筋は「外貨稼ぎ機関の倉庫に保管されている品物を全て回収して、第9軍団の司令部に移した」と述べ、「今後どのように処理されるかは分からないが、大部分国家が没収すると思われる」と話した。

最近、北朝鮮の外貨稼ぎ機関がお金持ちの個人の品物を輸出して利益を分ける行為が増え、こうした行為に貿易機関の幹部や税関の幹部の多くが癒着しているという指摘だ。そのため、まずこうした機関を検閲して、貨幤改革を通じて市場勢力の現金を回収するという陽動作戦を使ったと思われる。

消息筋は「ワラビの季節には、お金持ちの商人が現地で高い値段で全て買い付けてしまうので、外貨稼ぎ機関も必要な量を確保することができない」と言い、「ワラビだけではなく、他のすべての外貨稼ぎの品物も同様」と説明した。

お金持ちが外貨稼ぎ用の品目を独占して、源泉の確保が困難になった外貨稼ぎ機関が、こうした人たちの品物を引き入れて輸出してやり、利益を分けるやり方で外貨稼ぎをしているということである。

今回の検閲で、北朝鮮の外貨稼ぎ事業に相当な支障が出ると予想される。