最近、北朝鮮で携帯電話の使用など、外部に情報を流通させる行為に対する公開処刑が増加していることが明らかになった。
統一研究院(院長イ・ボンジョ)は14日に発刊した‘2007 北朝鮮人権報告書’で、“北朝鮮は恐怖の雰囲気の醸成を通じて、社会秩序を維持するために、公開処刑を定期的に実施している”と指摘し、“2006年にも非人権的な方法で、生命権を蹂躪する公開処刑が続いている”と評価した。
報告書は“しかし2000年代以後、経済難が緩和され、公開処刑の頻度は低下していると把握されている”と述べ、“各地域ごとに、1ヶ月に1回ずつ実施していたが、国際社会の非難が強まり、頻度を緩和している”と主張した。
報告書は更に、公開処刑を執行する犯罪行為の対象が変化していると明らかにした。
“経済難による窃盗行為に対する公開処刑の頻度は減少している一方、経済難が長期化し、増加した殺人罪に対する公開処刑は持続している”と述べ、“2000年以後、韓国のビラやビデオの販売など、外部情報を流通させたり、携帯電話の使用など、情報の流通と関わる行為に対して処刑する現象が増加している”と指摘した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面◆ 反人倫的統制…’連座制’の維持 = また、“情報通信では、電線など国家の品物の切り取り行為に対しては、持続的に公開処刑が行われている”と述べ、“特に国際社会が人身売買に対して強く問題提議すると、人身売買行為に対する公開処刑も持続的に実施していると把握されている”と付け加えた。
報告書はこれ以外にも、“教化所や管理所、集結所、労働鍛練隊など、各種の拘禁施設の中では、暴力などの苛酷な行為で死亡する事例が多く、給食の実態が良くなく、栄養失調で死亡する事例も多い”と指摘した。
“経済難による社会逸脱者が増加すると、短期間の即決処罰の方法として、労動鍛練隊を設置して運用し、北朝鮮の住民たちが強制労働に苦しむ事例が急増している”と述べ、“強制労働刑は2004年の刑法の改定により、立法化されたと伝えられている”と説明した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面更に、“政治犯に対する家族の連座制を実施することで、北朝鮮の体制に対する挑戦と抵抗の意志を抑制する、反人倫的な統制方法を未だに維持している”と指摘した。
報告書はまた、“北朝鮮では職場や学校、住宅地に秘密情報要員を浸透させ、一挙手一投足を見張ることで、思想と表現の自由を抑制している”と述べ、“北朝鮮で政治犯というのは、組織的な抵抗行為をする犯罪ではなく、金日成・金正日、2人の指導者と社会主義に対する誹謗や不満を言葉で表出する犯罪が大部分”と明らかにした。
旅行の自由に関しては、“旅行証制度により、公式的に旅行を統制して、平壌や国境地帯に対する接近及び、海外旅行を統制する政策が続いている”と評価した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面しかし、“生計のための商売など、住民たちの流動が急増し、汽車に乗って旅行しようとする住民たちによって、闇取り引きなどの風俗が現われている”と述べ、“人を車両につれて行って乗せる、一名‘勢子’という客引きも登場した”と説明した。
外部情報の取り締まり…密かにビデオの視聴=更に、“汽車に乗って旅行する場合、保安員たちの取り締まりで旅行証が必要だが、汽車以外の移動手段で道内から陸路で移動する場合、旅行証の意味が実質的に失われる現象が現われている”と付け加えた。
報告書は“言論・出版・結社・集会の自由など、基本的自由に関する制約は本質的に大きな変化がないと把握されている”と述べ、“携帯電話など、外部の情報に対して取り締まりを強化しているが、密かにビデオを視聴する行為は広まっている。最近、市場の売台で密かに外国の書籍が流通しているという証言もある”と明らかにした。
報告書はまた、“北朝鮮の農業生産が少しずつ回復している”と述べ、“2006、2007年の新年の辞で、食糧問題の解決を核心的な国家の課題に設定しているが、農業生産の増加の傾向が、住民の食糧難を緩和しているかは疑問として残っている”と評価した。
北朝鮮の女性の人権状況も相変らずよくない状態に置かれていると、報告書は指摘している。
報告書は“食糧難以後、家族の生計の維持と係わり、家長の役目が縮小して、女性が実質的に家長の役目をしているにもかかわらず、むしろ伝統的な家父長的意識に基づいた性の役割の分担及び、固定化が強化されている”と明らかにした。
また、“男尊女卑の観念と、家父長的意識が広まっている北朝鮮社会で、女性に対する性的暴力は日常化した現象であり、女性自身、これに対する問題意識が稀薄であると伝えられた”と説明した。
◆ 警備隊の脱出…国境統制の強化 = また“北朝鮮の女性に対する性的暴力は、食糧難を始めとする経済難の悪化によって、女性が家族の扶養を担うようになった後、より深まったという”と報告書は述べ、“以前とは違い、入党や処遇の改善を餌にした性的暴力よりは、商売の道中で会う市場の安全員や列車の乗務安全員、軍人などが取り締まりを理由に性的暴力をする事例が多い”と明らかにした。
脱北者の規模については、“国際社会の支援などで、食糧難が緩和され、新たな脱北は鈍化する傾向が見られると同時に、中国と北朝鮮の取り締まりが強化され、脱北者の規模が減ったように思われる”と分析した。
“2006年12月には、脱北者の追加の発生を阻むための国境統制の強化とともに、大々的な行方不明者の調査が行われたことが報道された”と述べ、“国境警備隊の脱北及び脱営事件が発生し、国境警備の司令部、保衛部の逮捕事業が強化された”と付け加えた。
それ以外にも、“北朝鮮政府は中国で姙娠した後、強制送還される女性たちに対して、堕胎をしょうようして、出産時に嬰児を放置し、死亡させる事例に対する国際社会の非難があると、一部の地域で出産を許容し、子供を中国の男性の家族に引き受けさせようとしたことが把握されている”と明らかにした。