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ここから子供や病床の高齢者などを除けば、密告ネットワークが人口に占める「濃度」は5パーセントを超える。そんな中に身を置いている人々は、「いつ密告されるかわからない」と疑心暗鬼になり、物言いが慎重になる。結果的に、当局は国民統制の目的を遂げることになるのである。

ちなみに、密告ネットワークに網羅された人々は、何を目的にそんなものに加わっているかと言えば、決して「思想」や「愛国心」などのためではない。「生き抜く」ためである。泣く子も黙る秘密警察から「手下になれ」と迫られて、拒むことのできる人がどれだけいるだろうか。

一方、権力と癒着し、そこから経済的利益を得ている密告者たちもいる。それとて、「生き抜く」ことが目的であるのに変わりはない。

(参考記事:口に砂利を詰め顔面を串刺し…金正恩「拷問部隊」の恐喝ビジネス

もっとも、たとえそこまでされても、北朝鮮の人々はもはや、思考まで体制に縛られてはいない。