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今年8月末、北朝鮮北東部を襲った台風10号(ライオンロック)。鴨緑江を挟んで北朝鮮と向かい合う中国吉林省延辺朝鮮族自治州では、幸いにして人的被害はなかったが、多数の住宅が浸水し、田畑や道路、橋梁が流されるなどの甚大な被害が発生した。

それから1ヶ月半、中国側では、復旧がほぼ完了した状態だが、川向うの北朝鮮では未だに廃墟がそのままの状態になっている。それを見た中国人からは「金正恩が悪い」と非難する声が上がっていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

吉林省図們市の朝鮮族の情報筋によると、中国では、人民解放軍の兵士のみならず、水害発生直後にボランティアグループが作られ、地元の延辺のみならず、瀋陽、長春など東北地方の各地から朝鮮族が集まり、1ヶ月に渡って被災地の復旧に当たった。

中国の朝鮮語紙「吉林新聞」は、湖南省張家界の旅行会社に務める延辺出身の社員など51人が17900元(約27万7000円)の募金を集め、現地のグループを通じ被災者に生活必需品や電化製品を送り、復旧作業にも協力したと伝えた。

復旧がほぼ完了した中国に比べ、北朝鮮では未だに被害当時の状況がそのまま残されているところが多い上に、遺体も放置されていることに、中国の人々は衝撃と怒りを感じているという。

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瀋陽の別の朝鮮族の情報筋によると、遼寧省のボランティアグループ「愛心会」が現地に入り、復旧作業を行った。川向うに見える北朝鮮の山にはほとんど木がなく、荒れ果てているのを見たメンバーは、非常にショックを受けた様子だったという。

「川を挟んだ中国、北朝鮮とも被害を受けたが、状況があまりにも異なる。廃墟と化した北朝鮮を見ると胸が痛む」(情報筋)

ボランティアや現地住民にさらなる衝撃を与えたのは、水害発生から1ヶ月半も経って、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士、30数人の遺体が川沿いで発見されたことだ。衣服を身に着けておらず、体格が小さかったため、すぐに北朝鮮軍の兵士だとわかったという。

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彼らの変わり果てた姿を目の当たりした中国の人々は「自然災害から兵士も民間人も守れない金正恩が、独裁体制を維持するために核兵器やミサイルの事件を繰り返している」と、金正恩党委員長を口々に罵ったという。

とりわけ、今回の水害は、北朝鮮当局が川の上流にある2つのダムの水門を、事前通告なしに開けたことにより、被害が拡大した「人災」の側面が大きく、中国では反金正恩感情が広がっている。