しかし、警備を強化している真っ最中だった今月2日、今度は市内の松峯洞(ソンボンドン)に住んでいた家族7人が行方をくらました。
国境警備隊員2人が受け持つ警備区間の長さは5里(1250メートル)。いくら探照灯があったとしても、夜間の細かい動きを察知するのは困難だ。また、脱北する人の多くがこの地で長く暮らしており、土地勘がある地元住民やブローカーだ。国境警備隊員の目を欺くことなど朝飯前なのだ。
それでも、金正恩党委員長は脱北行為に対して厳しく取り締まるよう指示している。世界的な事件となった4月の北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北を巡っては、公開処刑が行われたとの情報がある。
(参考記事:金正恩氏、美人ウェイトレスの集団脱北で「公開処刑」を指示か)日増しに強化される金正恩氏の恐怖政治だが、これに絶望して北朝鮮を逃れようとするエリート層が増えている。