傷んでいくジャガイモを横目に、農民たちは困り果てているという。
貯蔵施設がない場合は「雪室」を利用する方法もあるが、それも難しそうだ。北朝鮮の冬は寒くても、雪はあまり降らないからだ。韓国気象庁の統計によると、1月の平均降水量は、三池淵(サムジヨン)が18.1ミリ、恵山が5.2ミリ。東京の52.3ミリ、札幌の113.6ミリと比べると非常に少ないことがわかる。
別の町に運ぼうにも、恵山まで直線距離でも80キロ、平壌となると400キロも離れていて、ガソリン代も馬鹿にならない。さらには道路も整備されていない。
農場ではジャガイモが大量に余り、軍隊などでは食糧不足に陥っている。ちぐはぐな北朝鮮の現状だ。