今年8月末に起きた台風10号(ライオンロック)によって甚大な被害を受けた北朝鮮北東部で、コレラ患者が急増しているという。韓国の北朝鮮向けラジオ「自由北韓放送」が報じた。
同局の両江道(リャンガンド)の情報筋によると、被災地のうち恵山(へサン)市の恵明洞(へミョンドン)、咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)、穏城(オンソン)で、住民や復旧作業に当たる人員の間でコレラ患者が急増し、感染が拡大している。原因は「汚染された水」だ。
恵山市の恵明洞では、水害で設備が破壊され断水が発生。水問題を解決するため、他地域から水を汲んきたが、汚染水だったためコレラの感染が拡大したという。茂山と穏城でも、被災者は見るからに汚れた水を飲み、腹痛を訴える人が後を絶たない状態とのことだ。
復旧作業の人員は、元々平壌市内のタワーマンション団地「黎明(リョミョン)通り」の建設にあたっていたが、被災地に急遽派遣され、テントに寝泊まりしながら革命史跡の修復から住宅建設まで様々な復旧作業に当っている。しかし、資材不足のため、復旧作業は遅々として進まないのが現状だ。
道路整備や建物の基礎工事など、シャベルでできる作業は終えたが、セメントや鉄筋が必要な橋や鉄道の修復には着手できていない。コレラの感染が拡大すると、復旧作業にさらなる遅れが生じると懸念されている。