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国連児童基金(UNICEF)は公式ブログに、洪水で甚大な被害を被った被災地にオユンサイハン特使を派遣し、被災状況の視察の様子を掲載。視察の過程では、洪水拡大の原因についての新たな証言が出てきた。

特使は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)延社(ヨンサ)郡広陽里(クァンヤンリ)を訪れた。最初に会ったのはリ・ジョンスン(84)さん。「村に住むようになって50年」というリさんは、被害の様子を次のように語った。

「生まれてこの方、こんな災害は経験したことがない。近所の8軒の家が流された」

放流された濁流が村を

幸いにして、隣人たちと共に避難して難を逃れたが、未だにショックから立ち直れない様子だったが、特使の手を握りしめながら感謝の言葉を述べたという。

「3週間も完全に孤立していた。ユニセフが来てくれてありがたい」

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特使は続いて、リさんの家跡から100メートル離れたところにある光陽(クァンヤン)高等中学校を訪れた。校長のリ・ソンチョル(52)さんによると、大雨によるがけ崩れで、学校のすぐ側を流れる川(九雲水/クウンス)がせき止められた。そして、開かれた貯水池の水門から大量の水が流れ出し、村を襲ったという。

九雲水の上流には新陽(シニャン)貯水池があるが、校長の証言通りだとすれば、そこの水門が開かれたということになる。つまり、すでに報じられている円峰(ウォンボン)貯水池、馬養(マヤン)貯水池以外にも、水害被害を拡大させた貯水池があることを示す新しい証言だ。

押し寄せてきた濁流で、校舎の外壁が崩れ、教室、体育館が破壊された。小学校に至っては校舎全体が流された。校庭には濁流が運んできた大量の瓦礫が積み上がっていた。

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幸いにして広陽里の生徒の中に犠牲者はいなかったが、450人の生徒のうち登校できているのは300人。

遠く離れた仮設住宅へ移転した生徒は通学できなくなった。制服や靴、そして学用品が流されてしまったため、通学を嫌がる生徒もいる。残った教室で授業が再開されているが、生徒たちは屋根のない教室の地面に座って授業を受けている状況だ。

延社郡のイルクン(職員)のキム・ギョンチョルさんによると、郡内の死者は81人。うち26人が子どもで、行方不明者25人のうち8人が子どもだという。

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北朝鮮当局が、国際機関の特使に被災地を視察させるのは、被害状況を宣伝することによって、食料などの援助物資を引き出そうとする思惑があるからだ。その一方で、現地の人々の新証言を通じて被害拡大が人災によるものだということも露呈した。