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中朝国境の町、中国遼寧省丹東市。なぜか、ここで北朝鮮のトラックドライバーがパンを爆買いしているという。その理由を、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が探った。

中身のチェックすらせず

現地情報筋によると、ここ最近、丹東税関近辺にある食料品店やパン屋の店頭に、個別包装されたパンが箱詰めされて置かれることが増えたという。

丹東市の住民によると、これらは北朝鮮のトラックドライバーからの注文を受けて箱詰めしたものだ。

「ほとんどのドライバーたちが、『100元(約1500円)分のパンを1箱に詰めてほしい』と注文する。受け取っても中身の確認すらせず持ち帰る」(現地情報筋)

通常、北朝鮮の客は品物を細かくチェックするが、パンの爆買いに関してはかなり様子が異なることから、丹東住民も不気味に感じているようだ。

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実は、ドライバーたちがパンを購入するのは北朝鮮当局の出した指示だと、現地情報筋は明かす。

「彼らが買うのは1つ1〜2元(約15円〜30円)の安物だ。それを100元分買って、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の水害被災地に送ると聞いている。それも被災者ではなく、復旧作業員の分だ」(現地情報筋)

支援物資を自腹で

北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)では、台風10号(ライオンロック)による大雨により、甚大な被害が発生している。

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北朝鮮当局は10万人の人員を送り込んで復旧作業を行うと喧伝しているが、派遣するだけで彼らの食料は一切支給せず。そのため、被災地では復旧作業員による窃盗、強盗が多発している。「パンを買ってこい」という指示は、作業員の不満を解消させるためと見られる。

しかし、こうした手段で北朝鮮に持ち込まれるのは1日わずか100箱。10万人に及ぶ復旧作業員用の食糧としては、到底足りるものではない。

実は、ドライバーたちが100元分しか買わないのは、すべて自費でまかなっているからだ。当局から睨まれない最低限の量のパンを買って被災地への支援物資として差し出さなければならない。

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ちなみに彼らが購入するパンは、一般的なパンではなく、小さなパウンドケーキの中にカスタードなどが入った形の「軟麺包」と呼ばれるパンのようだ。値段が安く、かつ個別包装されていて保存が利くからだ。