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北朝鮮の憲法は「祖国防衛」に対する公民の義務を次のように規定している。

「祖国防衛は公民の最大の義務であり栄誉なことである。公民は祖国を防衛しなければならず、法律の規定に従って軍隊に服務しなければならない」

この条項は1998年9月5日に最高人民会議第10期第1次会議で修正、補充され、2009年に改定された憲法にも記されている。

このため政府は北朝鮮の住民に対して、こうした祖国防衛の義務を履行するための手段として、全国民の武装化という方針を打ち出している。

北朝鮮で生まれたら、中学校4年生(満14歳)の時から赤い青年近衛隊という半軍事組職に加入して軍事教練を受ける。この時から男性は定年退職の前まで、女性は結婚するまで軍事組織に所属して訓練を受けることになる。

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北朝鮮政府は住民を、一生の半分に相当する年月、軍事組織に所属させているが、訓練では実弾射撃もほとんど行えない。軍事優先主義を北朝鮮の経済力が支えることができないからだ。

韓国では軍や濫?Rの訓練を受ける時、大抵弾倉2つ程度消化すると聞いた。だが北朝鮮では規定どおりしようとしても、1回の射撃で供給される銃弾はたった3発だ。韓国の軍部隊の中には、弾薬があまったらそれを消費するために射撃訓練をするとも聞いたが、北朝鮮では銃を撃ってみる機会もあまりない。

北朝鮮の軍隊では10年服務制を採択している。軍を除隊したら、教導隊や労農赤衛隊など準軍事組織に編成される。

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北朝鮮の教導隊は地域の防衛のための軍事訓練を行い、赤衛隊は有事に職場を守るための訓練を行う。通常、男性は45歳まで教導隊に編成される。赤衛隊は女性は結婚するまで、男性は退職するまで年1回軍事訓練に参加しなければならない。

訓練は大抵1月に行われ、赤衛隊員は職場や近くの運動場、または学校の校庭で訓練を受ける。教導隊は市の党や郡の党の民防衛部の支持で指定された場所に陣を張って、現役の軍人とほとんど同じレベルの厳しい訓練を受ける。

実弾射撃は郡や里の射撃場で、58年式自動銃を用いて行う。

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年1回行われる実弾射撃訓練で消費しなければならない銃弾は3発だが、赤衛隊は弾薬が不足しているので射撃訓練ばかりしていて実弾射撃訓練はしない。

北朝鮮で、現在弾薬を生産している工場は平安北道クャ梼sにある95号工場だ。1990年代半ばの「苦難の行軍」の前には、両江道恵山市のコムサン里ワンドクの谷間の精密機械工場やヒチョン精密機械工場(慈江道)、三池淵精密機械工場(両江道)など、両江道や慈江道、平安北道等に所在する精密機械工場(もともと弾薬生産工場)で分散生産していた。

だが、「苦難の行軍」の時に、電気や食糧など弾薬生産のために必要なものが不足したため、弾薬生産基地の多くを閉鎖して平安北道クャ梼sにある95号工場に統合させた。

金正日は「95号工場で毎月200万発の自動銃の銃弾を生産しさえすれば、我が国には別の自動銃の生産基地は必要ない」と言っていた。しかし、このように公開されている生産目標を達成しているかどうか確認するのは難しい。

教導隊や労農赤衛隊で弾薬が不足していて、数年間実弾射撃を一度もできないという話を聞くと、弾薬が不足しているとしか思えない。

北朝鮮でも銃による人命被害を防ぐために、銃の紛失や民間人への流出を防止するための努力が見られる。北朝鮮では全国民の武装化という方針のため武器が流出しやすいことから、一層徹底的に取り締まっている。

軍人たちは平時には弾薬を所持してはいけないことになっている。弾薬は必ず武器庫にしまっておくことになっていて、勤務の時や非常警戒時にだけ指揮官の命令に従って弾薬を所持することができる。

勤務遂行中に弾薬を紛失したら、軍人たちを動員して紛失した弾薬を探さなければならず、無くしてしまった弾薬を見つけることができなかったら、紛失した軍人は処罰を受けて軍事裁判にかけられたり、生活除隊まで言い渡されることがあり、直属の上官も間接的に責任を問われる。

そのため、北朝鮮の軍人は弾薬を厳重に管理しているが、このように紛失したら深刻な状況に陥ることも少なくない。

3月に入国したチョン・スネ(女性・38歳)さんは、「大学時代に教導隊の訓練に参加したが、勤務遂行中に弾倉を紛失したことがあった」と言い、「装弾された弾倉を弾倉懐に入れて担いで、深夜12時から2時まで歩哨勤務を遂行していた時に弾倉を無くした」と証言した。

大学生教導隊は赤衛隊と異なり、現役軍人である指揮官と士官の指揮の下で厳しい軍事訓練を受ける。そのため、大学生教導隊の訓練期間は6ヶ月だけだ。その180日間に大学生たちは、現役軍人に劣らず厳しい軍事規律の中で生活する。

歩哨勤務も現役軍人と同じように行う。勤務の時は必ず実弾を身につける。2つの弾倉に5発ずつ実弾を装填して、弾倉を1つは自動銃に、もう1つの濫?e倉は弾倉懐に入れて勤務を遂行する。

彼女は2つの弾倉のうち、弾倉懐に入れておいた濫?e倉を紛失したという。弾倉を担いで境界勤務に立っていた時、居眠りをしてしまったそうだ。

座って銃を担いだまま眠ってしまい、交代の人がやってきて目が覚めて宿所に戻って来たが、弾倉懐をはずす時に見たら濫?e倉が消えていた。

歩哨場は夜中の2時頃だったが、急いで小隊長の寝室に駆け付けてこの事実を報告し、小隊だけではなく中隊全体を起こして弾倉を探した。

夜明けまで探したが結局弾倉は見つからず、中隊は翌日の午前中も弾倉を探したという。昼休みになってやっと、勤務を交代して宿所に戻る途中の道端に落ちていた弾倉を見つけた。

弾倉は見つかったが、この件で大隊の保衛指導員に呼ばれて批判書を書かされ、全中隊員の前で批判を受けることになったという。

幸い、教導生だったため弾倉紛失事件はそれだけで済んだ。だが、現役軍人だったら軍事裁判にかけられて拘留場に入れられ、生活除隊などの処罰を免れることはできないだろう。