北朝鮮の人々は、常に不安と戦い続けている。先日行われた核実験を受けて、北朝鮮国内からは、制裁が強化され、暮らし向きが悪化するのではないかという不安の声が伝わってきた。
「核のおかげで生活が良くなったのか。むしろ制裁のせいで生活が苦しくなっている」 「当局は5回目の核実験が成功したと大騒ぎしているが、庶民は食べていくのがさらに難しくなるのではないかと心配している」(咸鏡北道と両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋)
先が見えない不安は上流階級も同じだ。幹部はいつ粛清されるかわからず、トンジュ(金主=新興富裕層)は、財産をいつ権力に取り上げられるかわからない。そこで占い師に占ってもらって不安を解消しようという心理が働いているのだろう。それにしても、その占いが逆に社会不安を煽るのは、実に皮肉な話である。