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台風10号(ライオンロック)により甚大な被害が発生した北朝鮮北東部。当局は10万人を被災地に投入し「一心団結の巨大な威力で禍を転じて福となす奇跡的勝利を収めよう!」などと鼓舞しているが、実際には被災地の復旧よりも脱北や情報の流出、流入の遮断に熱心のようだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、国境付近の被災地の様子を次のように伝える。

「被災地に道、市、郡の保安署(警察署)から要員が多数派遣された。復旧に動員された人々が脱北しないよう監視を行うためだ。」

保衛部(秘密警察)の要員も動員され、携帯電話で中国や韓国と通話しないか監視を行っている。被災地の詳しい状況が海外に知れ渡ったり、海外から情報が入ることを恐れているためだ。さらに、携帯電話の通話を妨害する電波の発信も行っている。

中国の吉林省長白県の住民は米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に「妨害電波がひどく、北朝鮮の貿易業者と連絡が取れなくなっている。北朝鮮は被害が起きた9月1日から2~3分間隔で妨害電波を流している」と述べた。

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大雨による増水により各地で家や人が流されていたまさにそのころ、救助そっちのけで、妨害電波の発信を行っていたというのだ。それも「中国キャリアの携帯電話を持っている北朝鮮の住民から、中国の119番に救助を要請する電話が殺到したため、北朝鮮当局は『メンツに関わる』という理由で妨害電波を出して救助の電話が繋がらないようにした」(吉林省図們市の住民)という。

当局が保安員や保衛員を大量に動員したのには、別の理由がある。被災地復興のために動員した10万人の中から、これ幸いにと脱北してしまう人が続出することを恐れているのだ。治安要員がいなくなった被災地では犯罪が横行している。

別のデイリーNK情報筋は語る。

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「会寧(フェリョン)市の新鶴浦(シンハクポ)に派遣された突撃隊(建設労働者)5人が民家を襲撃する事件が発生した。このような事件が何件も起きているが、当局の対策は皆無だ。」

被災者の救助にやってきた突撃隊が、火事場泥棒に豹変するのも無理はない。当局は動員するだけで、食料も宿舎も一切提供していないからだ。

村人たちは「10万人の泥棒が押し寄せてくる」「こりゃ戦争だ」とうんざり顔だ。

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咸鏡北道の別の情報筋はRFAに「当局は8月30日の夕刻、事前通告なしにダムの水門を開き、放水した。そのため、延社(ヨンサ)郡だけでも、国境警備隊員40数人が増水した川に流された。周囲にあった民家数百世帯も流され、多数が行方不明になっている」と伝えている。