北朝鮮の青少年の間で、韓国のEBS(教育放送)が制作した英語講座番組が人気を集めていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

北朝鮮に情報を流入させる活動を行う韓国の民間団体の関係者によると、映画やドラマがインターネットに公開されれば、即座にダウンロードされ、ファイルがUSBやSDカードなどに入れられて北朝鮮に入り拡散していく。

ファイルが記録されたUSB1個の値段は100元(約1530円)と、北朝鮮の水準からすればかなり高額だが、それでも買い求める北朝鮮の人々は多い。

ドラマ、映画より人気のコンテンツ

最近、北朝鮮で流通している韓流映画は、財閥と政治家とマスコミの癒着を暴く「インサイダーズ/内部者たち」(2015年公開)や、1930年代のソウルと上海を舞台にした諜報戦を描いた「暗殺」などだ。

しかし、韓流ドラマや映画以上に、人気が高いのがEBSが制作した英語講座の動画だ。

平壌の高級幹部の子弟は、英語、中国語を熱心に学んでいる。彼らの悩みはいい教材がないことだ。北朝鮮で出版された教材は思想教育一辺倒で、学ぶという点で劣る。

そこで、韓国の教材を使いたがるわけだが、とりわけ受験生にはとても好評だという。

人気を集めているのは英語講座の動画だけではない。

韓国版センター試験の「修学能力試験」の過去問題集は、今や北朝鮮の受験生の間で必須アイテムだ。

ただし、韓流USBとは違い、出版物はかさばるため当局の目を盗んでの密輸、密売は至難の業だ。そのため、品薄で価格も非常に高価だが、それでも買い求める受験生が後を絶たない。

留まることを知らない韓流の流入に、北朝鮮当局は相当な危機感を持っている。当局は、それまで容認していたマルチメディアプレイヤー「ノートテル」の所有を禁止し、差し出すように命令した。

しかし、非常に小さく、たとえ家宅捜索されてもいくらでも隠せるため、効果が上がらない可能性が高いと思われる。また最近は、韓国や中国のテレビが見られる小型テレビが人気を集めており、韓流の流入を止めることはもはや不可能と思われる。

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