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「北朝鮮訪問は、ずいぶん前に閉業したお店に残っている、神秘的な昔の商品を見て回す気持ちだった」

キリスト教救護団体、ワールドビジョンに所属しているアメリカ人のディーン・R・オーエンさんが、6月に北朝鮮を4日間訪問した時に感じたことを、15日にLAタイムズに寄稿した。以下はソウル新聞に紹介された寄稿文の要約。

オーエンさんはその中で、「地球上でもっとも統制されたこの国を、私ほど隅々まで見たアメリカ人はほとんどいないだろう」と述べている。アメリカ人は、アリラン祝典が開かれる8~10月だけ訪朝が許可されるからだ。祝典の準備と退勤時の公演、農業など韓国の報道ではあまり伝えられていない内容が興味深い。


平壌の順安空港で携帯電話は取り上げられた。私に監視員がついて、日本のトヨタのSUVが提供された。道路では、車はほとんど見かけなかった。大抵、5~10人が一緒に行き来したり、自転車で移動していた。

通りでは毎日何回も掃除していた。金日成広場では乞食どころか鳩の排泄物も全く見かけなかった。200人余りの市民がすりひざで、手で巨大な広場の床を磨いていた光景を、私は決して忘れることができない。6時間床の掃除をした後、そこでアリラン公演の練習が行われた。

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◆一般の人は使えないインターネットや携帯電話

田舍ではどこでも集団農場を見かけた。勤勉に働くことを督励する壁画が建てられていた。農夫たちは牡牛を利用して土地を耕して、鉄製のくまでくわやスコップで作業をしていた。トラクターやコンバインなど、現代式の農業用の機械は見なかった。

北朝鮮ではインターネットや携帯電話、衛星航法装置(GPS)などが一般の市民には許可されていなかった。

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「労働者の天国」であるここの2300万の住民は全員、就業して犯罪が少ないという恩恵を受けていると言われた。このパラダイスでは、目覚し時計は必要ない。毎朝5時になったら、都市でも農村でも住民たちはスピーカーから聞こえてくる愛国的な歌と、偉大な指導者のために熱心に働こうという女性の掛け声で目を覚ます。

平壌では夕方になると、30人余りの高校生たちが通りのあちこちで愛国的な歌を演奏している。工場や事務所、田畑で働いた後、帰宅する労働者たちのために演奏しているのだ。想像できるだろうか。アメリカのサンタモニカに向かう運転手のために、学生たちがセレナーデを演奏している光景を。

◆毎朝5時に全国に「起床の歌」

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私が泊ったホテルではインターネットが使えなかった。電子メールと国際電話を使うためには、高額な使用料を支払わなければならなかった。客室の冷蔵庫にはソーダとビールが入っていて、テレビをつければBBCニュースを見ることもできた。

1日の宿泊費100ドルにはオムレツやパン、コーヒーなど洋食の朝食が含まれている。北朝鮮を訪問する人は、必ずドルやユーロなど現金を持って行かなければならない。クレジットカードは使うことができないし、ATMもない。北朝鮮を去る日、空港で私のかばんがもう一度調べられた。携帯電話を返してもらった。私の北朝鮮のビザはパスポートから削除された。