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北朝鮮の公共施設には「金日成・金正日革命思想研究室」と呼ばれる部屋がある。

金日成氏、金正日氏の生涯、活動に関する資料や写真を展示する場所で、毎週必ず訪れて思想教育を受けることになっており、住民たちは「聖殿」と呼ぶ。

かつては「オイしい仕事」だったが

極めて神聖な場所だけに、常に警備体制が敷かれているが、最近では進んで警備を担当しようとする人員がおらず、関係者は頭を抱えている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、清津(チョンジン)市の朝鮮労働党宣伝部では、革命思想研究室の警備員を募集している。前任者が急に辞職したため、後任を探しているのだ。

しかし、3ヶ月経っても応募者がいない有様だ。下部組織に圧力をかけているが、効果はないようだ。

一般住民は近づかない

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応募者がいない理由は極めて簡単だ。ハイリスク・ノーリターンだからだ。

かつて、革命思想研究室の警備員は名誉な職とされ、労働党への入党を希望する忠誠心の高い若い女性にやらせることが多かった。国からは優先的に配給がもらえるなど、名実ともに「オイシい仕事」だった。

しかし、90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の頃に配給システムが崩壊してしまい、今以て復旧していない。警備員になったところで、コメ1キロも買えないほどの薄給以外に何ももらえないのだ。

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それだけではない。所蔵されている資料に間違いが起きれば、警備員は責任を取らされる。運が悪ければ、命すら落としかねない。一般住民は用がなければ研究室には近づこうとすらない「忌避施設」と化しているのだ。そんなところで自主的に働こうとする人がいるならば、「頭のおかしい人」扱いされるだろう。

常設展示の警備ですらこの有様なので、一時的な警備の状況はさらにひどい。

江原道(カンウォンド)元山市の情報筋によると、2013年に南朝鮮(韓国)の反動団体が金日成氏の銅像を破壊するという情報があったため、当局は住民を動員して銅像の警備に当たらせていた。

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ところが、動員された人々はトランプをしたり将棋を指したりして遊んでいる。中には飲酒をする人すらいた。かつてなら考えられないことだ。