2008年にサービスが開始された北朝鮮国内の携帯電話の利用者は、すでに300万人を超えている。インターネット接続が一般住民には許可されていないとはいえ、この新たなツールが体制を揺るがす爆弾になり得ることは、ここ数年、北アフリカや中東で起きた民主化運動の例からも、北朝鮮当局は熟知しているはずだ。
現在、この国境都市以外での場所では、スパムメッセージの存在は確認されていない。新たなステージの幕が上がったと見るべきなのか、はたまた単なる偶然の産物なのか。デイリーNKでは事件の推移を追っていきたい。
(参考記事:アニメを見ただけで「銃殺」も…北朝鮮が統制を強化)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。