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北朝鮮当局と庶民が、果物をめぐり熾烈な争奪戦を繰り広げている。その果物とは、ブルーベリーの一種「トゥルチュク」(和名クロマメノキ)。争奪戦の理由は、単純に「カネになる」からだ。

トゥルチュクは、両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)郡、白岩(ペガム)郡など高原地帯で自生する。かつては単なる果実だったが、最近は高値で取引されるようになった。

現地のデイリーNK内部情報筋は、「北朝鮮当局は小学生から兵士、労働者、老人に至るまで、トゥルチュク採りに動員する」と語る。

さらに、毎年この時期になると、多くの人々が、トゥルチョクを採るため、山に入るが、今年は少し様子が違うようだ。

保衛部(秘密警察)、保安部(警察)、検察、軍部などの北朝鮮当局は、森を「民間人立入禁止区域」に指定する。

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トゥルチュク採りにはノルマが課せられているが、それ以上に採ったものについては市場で売ることが黙認されている。商人は、1キロ5元から6元(約75円~90円)とかなりの高値で買い取ってくれる。

そして、儲け話を聞きつけた他地方の人が山にやって来るようになった。中には、家を売り払い元手を作ってやって来る人すらいる。ちなみに、昨年10月の時点で、恵山市郊外の一軒家の売値が5000元(約7万5000円)。相当の儲けになるようだ。

ところが、他地方から来る人があまりにも多くなったため、自分たちの収穫量が減ることを恐れた当局が、山を立ち入り禁止区域にした。

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動員された地元の住民だけ中に入れるようにして、他地方の人は立入禁止にしてしまった。密かに忍び込んでトゥルチュクを取っているのが見つかれば、全量没収される。しかし、それぐらいでへこたれない人も多く、取締官とのイタチごっこになっている。

ちなみにこのトゥルチュク、天然記念物に指定されているため、本来は採取すら禁止されているはずが、当局も庶民も一切気にしていないようだ。