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北朝鮮の秘密警察、国家安全保衛部(以下保衛部)が人材派遣会社と化している。北朝鮮の労働者を違法に出国させ、中国の炭鉱に送り込んでいるのだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、保衛部は今年5月中旬から、北朝鮮の炭鉱で働いていた労働者たちを、鴨緑江の川向うにある中国吉林省長白朝鮮族自治県の炭鉱に送り込んでいる。

7月2日の夜、道内の普天(ポチョン)郡の鴨緑江協同農場に保衛部の幹部30人と労働者がやって来た。白頭山観光鉄道の工事が行われている現場に近く、多くの建設労働者がいるため、彼らの目を避けるために、午後11時ごろになってから、労働者に国境の川を越えさせた。

事故多発で不人気

水深が浅く川を渡るのが容易な上に、渡ったところに道路があるため、労働者を迅速に移動させるにはもってこいの地域だ。

別の情報筋は、酒の席で保衛員から聞いた話として、中国に送り込まれた労働者は元々、道内の雲興(ウヌン)郡の龍岩(リョンアム)鉱山と8月鉱山の従業員だと伝えた。

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彼らが具体的にどの炭鉱に送り込まれているかは不明だが、長白県の新房子鎮や近隣の白山市江源区には、多数の炭鉱が存在する。

長白県を含む白山市では、人口が減少傾向にある。より良い収入を求めて、延吉や長春、他の大都市に人口が流出していることが要因と思われる。また、事故が多い炭鉱は中国でも不人気職種で、人手が集まらない。

処罰されず

その穴を埋めるために、北朝鮮の労働力が必要な中国の炭鉱と、外貨が喉から手が出るほど欲しい北朝鮮の思惑が一致したということだろう。

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その長白県の法定最低賃金は1220元(約1万9300円)。一方で、北朝鮮労働者が受け取る月給は240元(約3750円)。炭鉱業者は、北朝鮮当局の監視のもとに置かれているため離職率が低く、賃金も安上がりな北朝鮮労働者を積極採用しているものと思われる。

中国公安当局は不法入国、違法派遣に対する取り締まりを行っている。しかし、捕まったとしてもさほど心配はない。

北朝鮮の国境警備隊の関係者によると、労働者が公安に逮捕され、北朝鮮に強制送還されても、処罰されることはないからだ。保衛部が送り込んでいるので当然と言えよう。

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このような違法な労働者派遣は中央がやらせているのか、地方が独断でやっているかはわかっていない。