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先日、補修工事を行ったばかりの北朝鮮と中国を結ぶ鴨緑江大橋で、改めて補修工事が行われることが明らかになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市と、中国の遼寧省丹東市を結ぶ鴨緑江大橋(中朝友誼橋)。1943年に建設され、朝鮮戦争中に米軍の爆撃で破壊されたが修復され、70年以上に渡って利用されてきた。

しかし老朽化が著しい上、トラックの横転事故で橋脚が破損したために、昨年から何度も補修工事が繰り返されている。最近では、北朝鮮当局が先月23日から今月1日まで工事を行っていた。

ところが、工事が終わって間もないというのに、今度は中国当局が補修工事を行う方針を北朝鮮側に通告した。

丹東の対北朝鮮情報筋によると、今回の工事は単純な補修ではなく、橋の安全性診断まで含めた本格的なもので、工事期間は40日に及ぶ。中朝貿易の物量の約7割が通過するこの橋が長期間通行止めになると、北朝鮮に甚大な影響が生じることが予想される。

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北朝鮮は中国に対して、工期の短縮と、工事開始を8月15日以降に延期することを要求しているが、受け入れられたかはわからない。

今回の補修工事だが、その裏側には中国の別の思惑が見え隠れする。

この鴨緑江大橋から下流10キロのところに、「新鴨緑江大橋」が2014年10月に完成しているが、未だに使用できない状態が続いている。北朝鮮当局が、接続道路や税関などの整備を全く行っていないからだ。

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両国の合意に基づき、橋本体の建設は中国当局が行ったが、北朝鮮側の付帯設備に関しては北朝鮮当局が行うことになっている。ところが、北朝鮮はその部分まで中国にやってほしいと要求している。

それに対して中国当局は激怒しており、補修工事を口実に橋を通行止めにして圧力をかけようとしていると情報筋は述べた。

また、北朝鮮は中国に対して、新鴨緑江大橋から平壌を経て開城(ケソン)を結ぶ高速道路の建設を提案し、今月2日に着工式を行おうとしていたが、結局何も行われなかった。今回の「40日間の補修工事」は、援助を要求してばかりの北朝鮮に対する中国の意趣返しと言えよう。

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核・ミサイル開発や、大規模高層マンション団地「黎明通り」など、見栄えがしてプロパガンダに利用できるものにばかり巨額の予算を投じ、経済再建に欠かせない交通インフラの整備をないがしろにしている北朝鮮に対して、中国が怒るのも無理はない。

中国の貿易業者の間でも、無茶な要求をする北朝鮮に圧力をかけるために鴨緑江大橋を閉鎖してしまえという声が上がっており、今回の長期間補修工事は地域の世論を意識したものとも思われる。