2011年12月に金正日氏が亡くなった際に、脱北者が大使館に押し寄せて「金正日死亡万歳」などと叫び抗議活動を行った。
彼らは大使館の壁に金正日氏の写真を貼り付けたが、対応にあたったムン・ミョンシン2等書記官が怒りのあまり、その写真を剥がそうとして誤って破いてしまった。
金日成氏、金正日氏の写真、肖像画は神聖なものとされ、災害時に命を投げ出して守ったことが美談として紹介されるほどだ。たとえ故意ではなくても、破損した場合は重罪に問われる。
「テ公使はいい人だった」
この事件を受けて、大使館では緊急対応会議が行われた。朝鮮族の女性は扉の外で、耳をそばだてていた。すると、テ公使の次のような言葉が聞こえてきたという。